漢方つれづれ

漢方つれづれ2018年
漢方つれづれ2019年
漢方つれづれ2020年
漢方つれづれ2021年
漢方つれづれ2022年

2023年 蒼朮のカビ(2023/1/5)
昔結核、今は悪性新生物(2023/1/16)
漢方でいう糖尿病(2023/1/23)
後医は名医(2023/1/30)
テレワークは心の負担が軽い(2023/2/6)
長寿を祝う(2023/2/13)
涙の味(特性)(2023/2/20)
健康食品、特に注意すべき成分(2023/2/27)
ポリファーマシー対策(2023/3/6)
爪で健康診断(2023/3/13)
漢方薬を飲む(2023/3/20)
アトピーの仕組み(2023/3/27)
アルコールで眠れる?(2023/4/3)
調理の工夫で栄養を無駄なく(2023/4/11)
不眠によい生活習慣(2023/4/17)
牡蠣(かき)はカキ殻まで役立つ(2023/4/25)
牡蠣(かき:肉)は美味しく栄養満点(2023/5/1)
緑さわやかな初夏(2023/5/8)
漢方はなぜ効くか(2023/5/15)
酒に弱い人の胃がんリスク(2023/5/22)
ふくらはぎは第2の心臓(2023/5/29)   

蒼朮のカビ(2023/1/5)
お正月のお屠蘇に入っているオケラは生薬名を朮(じゅつ)といいます。
朮には白朮(びゃくじゅつ)と蒼朮(そうじゅつ)の2種類があります。
漢の時代に記された『傷寒論(しょうかんろん)』では、この区別がなく、朮といえばどちらを使ってもよかったのです。

朮は、どちらもキク科で、白朮はオケラの根茎、蒼朮はホソバオケラの根茎です。
蒼朮の品質がよいものでは、生薬表面に白いカビのようなものが発生しますが、それをカビと間違って捨ててはいけません。
これは蒼朮に含まれるヒネソールやオイデスモールなどの精油成分が析出したものであり、
その白い結晶が多いほど精油含量が高くて良質の蒼朮といえます。

昭和の昔、お餅はまだ贅沢なもので、お正月に家族そろって食べていました。
鏡開きの頃、お餅によくカビがはえていたものですが、カビを取り除いて食べていました。
少しくらいカビが残っていても特に気にしなかったことを思い出します。

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昔結核、今は悪性新生物(2023/1/16)
1981年から現在まで続く死因のトップは悪性新生物(がん)ですが、
1950年までの死因1位で、国民病、亡国病などと呼ばれ、多くの人の命を奪ったのは、結核でした。
当初結核に罹ることは死につながることが多く、まさに不治の病と考えられました。

結核菌は空気感染で広がるため、完全に予防することが難しく、うつらないよう隔離するつらい病気でもありました。
抗生物質の登場で、不治の病でもなくなり、2021年、この結核が10万人あたり10人を切って日本は「低蔓延国」になりました。
G7(先進国)の中では最も遅い実現でした。
終戦直後の日本は衛生状態も悪く低栄養状態の子供も多かったのでしょう。

しかし、まだまだやっかいな病気です。現在は患者の大半は免疫力の衰えた高齢者。
70代以上が半数をしめています。

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漢方でいう糖尿病(2023/1/23)
漢方では、糖尿病(消渇:しょうかち、しょうかつ)は「多飲」「多食」「多尿」という「三多」を主症状とする病気であり、
次の3つの段階に分類します。
①上消(じょうしょう、肺消:はいしょう):多飲(口渇引飲:こうかついんいん)、口の渇きがひどくたくさんの水を飲む。舌は紅、体力未だ衰えず。
白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)、虚証には竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)、麦門冬湯(ばくもんどうとう)などを用います。

②中消(ちゅうしょう、胃消:いしょう):多食、たくさん食べても空虚感が癒されない。るいそう(いくら食べても体重減少)、汗が増え、便秘(大便硬)がち。
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)、大柴胡湯(だいさいことう)、調胃承気湯(ちょういじょうきとう)などを用います。

③下消(げしょう、腎消:じんしょう):多尿(小便膏濁:しょうべんこうだく)、小便の回数が増え、体力の疲弊、種々の合併症が出現。
八味地黄丸(はちみじおうがん)、六味丸(ろくみがん)、味麦地黄丸(みばくじおうがん)、
胃腸虚弱には清心蓮子飲(せいしんれんしいん)、冷えが強い時に真武湯(しんぶとう)などを用います。

糖尿病は、この順序で進行していきます。

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後医は名医(2023/1/30)
あなたは○○病だと最初から診断してくれる医師は多くありません。
たとえ風邪で受診しても、あなたは風邪ですと断定せず、帰る時に風邪薬をくれるといった感じだったりすることがあります。
それほど、病気の診断というものは難しいもので、当初見込んでいた病名と、後からわかる病名が異なることもあります。

後の方になって患者さんを診た医師は、経過もわかるし、症状が多くあって全体像がわかりやすくなります。
最初に診た医師とは情報量が違うので、診断はつけやすいし治療もうまくいくことが多いです。
だから後から担当した医師は、いつも名医のように見えるという見解が「後医(こうい)は名医」といわれる所以です。

漢方では、病名をつけません。
しっかり症状を聞き出し、病の全体像をつかんで治療するのが漢方です。

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テレワークは心の負担が軽い(2023/2/6)
睡眠を1日平均7時間以上取っている割合は、テレワークの頻度が「毎日」の人が30.3%と最も多く、
「週2~3日程度」の19.4%、「一時的に行った」の16.7%などを大きく上回っています。
うつ傾向や不安がない割合も、テレワークが「毎日」の人が60.9%で、「週2~3日程度」56.5%、
「一時的に行った」51.3%などより多くなっています。

このようにテレワークの頻度が多い人ほど睡眠時間が長く、うつ傾向や不安が少ないという結果が
厚労省の委託調査で明らかになっています。
通勤の負担が軽かったり家庭内の時間を長く持てたりする効果だと推測されています。
ちなみにテレワークの導入割合が最も高かったのは情報通信業(83.4%)で、次いで学術研究、専門・技術サービス業(62.7%)。
最も低かったのは医療、福祉(9.4%)や宿泊、飲食サービス業(13.3%)でした。

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長寿を祝う(2023/2/13)
日本人の平均寿命は女性87.57歳、男性81.47歳(2021年)。
長寿を祝う節目の年齢には、還暦(かんれき)、古稀(こき)、喜寿(きじゅ)、傘寿(さんじゅ)、米寿(べいじゅ)などの名称があり、
賀寿(がじゅ)として祝ってきました。
平均寿命が延びた最近では60歳の還暦はまだまだ長寿というよりは現役。
隠居には早いかも知れません。

還暦(60歳) 生まれた年の干支に戻ることから。
古稀(70歳) 唐の詩人・杜甫(とほ)の「人生七十古来稀なり」に由来。
喜寿(77歳) 「喜」のくずし字の、七十七と読める形から。
傘寿(80歳) 「傘」のくずし字の、八と十を重ねた形から。
米寿(88歳) 「米」の字をくずすと、八、十、八に分かれるので。
卒寿(90歳) 「卒」のくずし字「卆」が九十と読めることから。
白寿(はくじゅ:99歳) 「百」から横線の「一」をとると「白」になるので。
紀寿(きじゅ:100歳) 100年=一世紀を表わす「紀」から。

ほかに、百一賀(ひゃくいちが:101歳)や茶寿(ちゃじゅ:108歳)、皇寿(こうじゅ:111歳)などがあります。

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涙の味(特性)(2023/2/20)
一口に涙といっても、嬉し涙、悔し涙など、人はさまざまな涙を流します。
この涙には、それぞれ味に違いがあるそうです。
それは自律神経の働きに関係します。
例えば、副交感神経に刺激されてあふれる嬉し涙は、水分が多くマイルドな味に、
また交感神経の刺激による怒りや悔しさの涙は、Naを多く含んでいて辛口になるそうです。
人の涙は、なかなか奥が深いですね。

ところで、悲しい時や悔しい時に涙を流してスッキリした経験はありませんか。
じつは、体の中で痛みやストレスを緩和してくれる脳内モルヒネ様物質の一つ「ロイシン-エンケファリン」が涙の中で見つかっています。
涙には、痛みやストレスを和らげて洗い流す力があるのかも知れません。
厳しいストレス社会、お酒ばかりで解消しないで、我慢せずに涙を流してスッキリしてみては。

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健康食品、特に注意すべき成分(2023/2/27)
サプリメントなどの健康食品が沢山販売されています。
よく比較される漢方薬と健康食品。
健康食品は食品で、漢方薬は医薬品です。
とくに健康食品は足りないものを補うものとして気軽に使われてきました。
しかし、ドオウレン、ブラックコホシュ、プエラリア・ミリフィカ、コレウス・フォルスコリーの4つを、
厚労省が特に注意を必要とする成分又は物と指定し管理警戒しています。

健康食品を上手に使うなら、
「薬と併用しない」、
「同時にいくつもの健康食品を使わない」、
「どんなものを、どれくらいの期間、どれだけとったのかメモをつけておく」、
「体調の異常が出たら飲むのをやめて医療機関を受診する」などを挙げています。

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ポリファーマシー対策(2023/3/6)
ポリファーマシー(多剤投与)の問題は簡単なようで、なかなか難しい問題です。
代謝が衰えた高齢者となると、一つの症状に対して一つの薬では、年齢とともに薬が増えてくるのは当たり前かもしれません。
高齢者の病気は老化現象が多く、症状をとるだけで決して治っている訳ではないのです。
多少の痛みや不自由は「自然の摂理」ととらえて、仲良く我慢して付き合っていくことも大事です。
年をとったら急がないこと。

しかし、日本人は薬が大好きな国民で、「年のせい」といわれるより、医師に病名を付けてもらって薬をもらうと、安心する傾向があります。
薬の数を増やさず最小限にする提案として、漢方薬(複合症状を1つの処方でとる)を利用することをぜひ検討してみてください。

①体質を変える薬と、
②今の症状を取り除く薬の2種類で充分。
効きが悪ければ、お客様と充分話し込んで②を変えて様子をみます。

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爪で健康診断(2023/3/13)
爪はマニキュアを塗るだけのものではありません。
爪のチェックで体の健康状態がわかるのです。
爪は硬いので、骨の仲間だと思っておられませんか。
じつは、爪は角質層が変化してできた皮膚の一部です。

爪の中央がスプーンのようにへこんでいたり、上から押さえてピンク色に戻らず白いままなら、貧血のサイン。
鉄分を多くとるよう心掛けましょう。

また、爪に出る横のスジは過去の病気の名残なので、生活習慣や食生活の見直しをおすすめします。
ただし、縦のスジは病気とは関係がなく、爪の老化現象なのでご心配なく。

ほかにも、爪の中央が異常に盛り上がって指先を包み込むように伸びた「時計皿爪」には肺や心臓の病気の可能性が。
爪が急に変化したら要注意。ぜひ、医療機関を受診してください。

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漢方薬を飲む(2023/3/20)
漢方薬の服用は、一般に食前または食間(食事の2時間後)が良いとされています。
医師が処方する西洋薬(新薬:ほとんどが化学合成された物質)に食後服用のものが多いのは、
西洋薬は胃を荒らす可能性が高いからと考えられています。

食後でも胃を荒らすものは、胃薬を一緒に服用します。
そのほか、1日同程度の血中濃度を保つため、食事に関係なく、できるだけ服用を等間隔にするのが望ましいと考える専門家によれば、
朝7時に飲めば、昼は14時に、夜は21時に服用するのが良いとされています。

吸収率に関しては、お湯で溶かした漢方薬のpH(ペーハー、ピーエッチ:水素イオン濃度の表示法)および胃内のpHにも影響されることがあります。
しかし、薬は継続して飲むことが大切である点から、飲み忘れしないように心がけたいものです。

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アトピーの仕組み(2023/3/27)
佐賀大学の出原賢治(いずはら けんじ)教授らのグループが、アトピー性皮膚炎でかゆみが生じる仕組みの一つを解明。
皮膚組織に含まれるタンパク質「ペリオスチン」が知覚神経の細胞表面にあるタンパク質「インテグリン」と結合し、
脳にかゆみを伝える仕組みです。
この2つの物質の結合が阻害されると、症状が抑えられることも確認されたという将来の新薬開発にもつながる報告です。

アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が主な症状で知られていますが、
ひっかくことで皮膚の保護機能が低下し、さらに症状を悪化させるというサイクルに陥りやすく、
治るのに時間がかかりやすくなります。
小児や若者に多い病気で、日本皮膚科学会ガイドラインによると、20歳以下では人口の10%程度が罹患しているそうです。

「かゆみを抑えることができれば、ひっかいて炎症を悪化させる悪循環を断つことができる」。
アトピーで悩んでおられる方の希望となる新薬の開発が待たれます。

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アルコールで眠れる?(2023/4/3)
アルコールには不安を和らげ、入眠を促進する作用があります。
飲酒は深い睡眠(ノンレム睡眠)をわずかに増加させますが、浅い睡眠(レム睡眠)はわずかに減少させます。
しかし、長期間の飲酒歴のあるアルコール依存症者が急に断酒すると、
軽症の場合には種々の自律神経症状とともに不眠やレム睡眠の反跳(はんちょう:跳ね返り)的増加による多夢や悪夢が発現します。
重症な場合には振戦(しんせん:ふるえ)や発汗とともに幻覚や興奮を伴った意識障害が出現します。

このように、アルコールは依存性があり、連用を続けていると耐性が形成されて、
同量の飲酒でも入眠困難や早朝覚醒などが出現し、そのためさらに大量の酒を飲む悪循環に陥りやすくなります。
慢性アルコール中毒症患者の睡眠ではノンレム睡眠が著明に減少し、
レム睡眠が睡眠の前半で多くなり、うつ病患者の睡眠パターンに類似しています。

百薬の長とも言われるお酒ですが、最初はごく少量でも、だんだんと量が増え、
気がつけばアルコール依存症に、ということにもなりかねません。
いつまでも健康で楽しく飲むためにも適量を心掛けるなど、お酒に飲まれない嗜みが必要です。

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調理の工夫で栄養を無駄なく(2023/4/11)
野菜は調理法によって、大切な栄養が失われたり、体内に吸収されにくくなったりすることがあります。
栄養を捨てる食べ方、捨てない食べ方について専門家の話を紹介します。

『大根はやわらかく煮込んだ物は栄養がほぼない。あまり火を通さず葉と一緒に食べるのがベスト。
 ピーマンは種やわたを取ってみじん切りにすると栄養が1/10以下に。切らずに加熱し栄養を残さず摂取。
 タマネギの皮を2枚むくとCa(カルシウム)などが90%以上失われる。すりおろしやみじん切りにして健康効果をアップ。
 ニンジンは油なしで食べるとβ-カロテンが8%しか吸収されない。油で加熱調理すると吸収率は9倍にアップ。
 キャベツは炒めるとビタミンCを3~4割失う。栄養豊富な芯ごと煮るのがベスト。』

そのほかホウレンソウや胡瓜、ブロッコリー、ジャガイモ、カボチャ、トマト、ハクサイなどについても
栄養素を無駄なく摂る調理法があります。興味のある方は、本やネットなどで調べてみてください。

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不眠によい生活習慣(2023/4/17)
現代人の悩みのひとつとしてよく挙げられる不眠症。
床についてからなかなか眠れない入眠障害は若い方に多く、
逆に寝つきはいいのに、一旦目が覚めると何度も目が覚める中途覚醒は高齢者に多いといわれています。

不眠症は生活習慣を見直すと良くなることがあります。
日中日光を浴びることで、メラトニン(睡眠ホルモン)の夜間分泌が増えます。
また、適度な運動も日中の覚醒レベルが上がり、夜間の睡眠の質を改善します。
さらに、床につく90分ほど前に入浴し、約40℃の湯にゆったりとつかって深部の体温を上げておくと、
深い眠りを得やすくなることがわかっています。
三食同じ時間にきちんと食事をとることも不眠対策に有効です。
規則正しい食事により、覚醒と睡眠のリズムにメリハリがつき、質の良い睡眠につながります。

不眠症が続くと辛いものです。
生活習慣を見直してもあまり改善が見られないときは、そのままにせず、ぜひ当店にご相談ください。

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牡蠣(かき)はカキ殻まで役立つ(2023/4/25)
漢方処方はいろいろな生薬からできています。
その生薬は一般に植物が多いですが、中には動物や鉱物などもあります。
皆さんも召し上がったことのある牡蠣(かき)は貝殻を牡蛎(ぼれい)といって漢方処方に使われます。
牡蛎(ぼれい)を漢方に使う場合は、貝殻をきれいに洗浄し灰白色になるまで焼き、冷やしてから砕いて使います。
その方が、CaやMgが豊富です。

牡蛎にはいろいろな薬能があり、組み合わせる生薬によってその作用が変わってきます。
一番多いのは竜骨(りゅうこつ:大型ほ乳動物の化石化した骨)と合わせて、
竜骨牡蛎による鎮静作用(ちんせいさよう)で、胸腹部の動悸を伴う驚狂(きょうきょう:驚き、心が乱れ落ち着かない興奮状態)
煩躁(はんそう:不快な熱感やイライラで落ち着きなく体を動かしている状態)などを目標に、
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)などに組み込まれています。

そのほかにも紫根(しこん)と合わせた紫根牡蛎湯(しこんぼれいとう)、
甘草(かんぞう)と合わせた健胃(けんい)または胃酸の中和剤(神経症状を伴う胃酸過多や消化性潰瘍など)として
胃薬に使われる安中散(あんちゅうさん)があります。

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牡蠣(かき:肉)は美味しく栄養満点(2023/5/1)
牡蠣は昔から滋養強壮に適した食材で、日本では多くの人に愛されてきました。
マイルドな食感と豊富な栄養から「海のミルク」ともいわれています。

牡蠣(肉)にはグリコーゲン(糖質)が豊富。
体内ではエネルギーをグリコーゲンとして肝臓などに蓄え、運動時のパフォーマンスを向上したり、疲労回復に役立てたりしています。

また、タウリン(含硫アミノ酸の一種)も豊富で、体や細胞を正常に保つ働きがあり、
肝機能を正常にして、血圧やコレステロールの数値を下げる効果も期待できます。

さらに、牡蛎は鉄、銅、ビタミンB12などのミネラル、ビタミン類に富み、貧血予防に適した食品として女性に重宝されています。
ミネラルの亜鉛も豊富で、その含有量では食品中トップの量です。

そのほか新陳代謝を促し、生殖機能を高め、性欲を正常に保つ働きがあり、最近では、味覚を改善する成分としても有名です。

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緑さわやかな初夏(2023/5/8)
若葉の緑が目にさわやかな初夏は、森林浴に最適の季節です。
緑と触れ合う機会が少なくなった現代、あらためてその効果が見直されてきました。

春から初夏は科学的にも森林浴の効果が一番高い季節。
人の体からストレスを取り除いてくれる樹木の揮発成分・フィトンチッドの発散量が増えます。
緑の周辺には酸素が豊富にあるため、全身の新陳代謝が促進されます。

自然の中ではありませんが、部屋に観葉植物を飾る人が増えました。
これは目を楽しませるだけでなく、空気をきれいに浄化する目的もあります。
建築材や日用品などからも発生しているホルムアルデヒドを吸収してくれるからです。
また、若葉と同じ成分を持つお茶の香りにも、森林浴に近いリラックス効果があります。
毎日の美味しい一杯が、健康はもちろんストレス解消にも役立っているのですね。

今年の初夏はお家から自然へ飛び出して、森林浴でストレス解消なんていかがですか?

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漢方はなぜ効くか(2023/5/15)
漢方の治療は病名というよりは、個人の体に現れる症候群から、その症状に合う薬を処方します。
さらに、人は一人ひとり体質も違います。
漢方治療ではその時の症状や個人の体質、すなわち「証(しょう)」によって薬の処方を決めます。
しかし、服用しても一向に症状の改善がなければ、証を再検討する必要があります。
証を見極めることは、漢方治療の要なのです。
漢方の専門家(中国では老中医)は、薬が効けば証が合っていると判断します。

「漢方は副作用がないけれど、自分の病気には効かない」とおっしゃるお客様が時々おられます。
漢方薬にも副作用が起きることがあります。
そして何より証の見立てが大切なのです。
漫然と服用せず、お困りの症状があれば、ぜひ漢方に詳しい医療機関や薬局・薬店でご相談ください。

「漢方薬ってよく効くね」をぜひ体感していただけたら幸いです。

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酒に弱い人の胃がんリスク(2023/5/22)
日本を含む東アジアに多いとされる、アルコールを代謝しにくい体質の人が飲酒すると、
「びまん型胃がん」(スキルス胃がんに代表される治療の難しいもの)の発症リスクを高めるとする研究結果が発表されました。

もともとびまん型胃がんと飲酒の関係は指摘されていましたが、遺伝子解析で初めて裏付けられ、
「アルコールを代謝しにくい人が飲酒する際は注意が必要だ」と
国立がん研究センターがんゲノミクス研究分野の柴田分野長が言及しました。

日本はがんの中でも胃がんの患者数と死亡者数がそれぞれ3位と多く、
チームによると、びまん型は胃がん全体の約3割を占め、発症要因については解明されていないそうです。

日本、米国、中国の3国で行われた世界最大規模の遺伝子解析で、仮説を検証できたことは、
今後の治療薬の開発につながります。

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ふくらはぎは第2の心臓(2023/5/29)
心臓が血液を全身に送り出しているのに対し、ふくらはぎは筋肉を収縮して心臓に血液を押し戻すという
ポンプのような働きをしています。
このふくらはぎをマッサージやストレッチ(引っ張って伸ばす)でケアすることで効率よく血流を促進できます。

血流をよくするためには血管が軟らかくなければなりません。
しかし、血管は年齢とともに硬くなるため、動脈硬化を発生しやすくなり、脳や心臓の病気につながります。
特に閉経後の女性はその傾向が強くなりますので、ふくらはぎに注意してください。

心臓に向ってふくらはぎを下から上に軽く押す感じでマッサージしてみましょう。
最もおすすめなのがストレッチ。
血管を伸ばすことによる血流促進効果のほか、交感神経を鎮めるリラックス効果もあります。

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