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2023年 蒼朮のカビ(2023/1/5)
昔結核、今は悪性新生物(2023/1/16)
漢方でいう糖尿病(2023/1/23)   

蒼朮のカビ(2023/1/5)
お正月のお屠蘇に入っているオケラは生薬名を朮(じゅつ)といいます。
朮には白朮(びゃくじゅつ)と蒼朮(そうじゅつ)の2種類があります。
漢の時代に記された『傷寒論(しょうかんろん)』では、この区別がなく、朮といえばどちらを使ってもよかったのです。

朮は、どちらもキク科で、白朮はオケラの根茎、蒼朮はホソバオケラの根茎です。
蒼朮の品質がよいものでは、生薬表面に白いカビのようなものが発生しますが、それをカビと間違って捨ててはいけません。
これは蒼朮に含まれるヒネソールやオイデスモールなどの精油成分が析出したものであり、
その白い結晶が多いほど精油含量が高くて良質の蒼朮といえます。

昭和の昔、お餅はまだ贅沢なもので、お正月に家族そろって食べていました。
鏡開きの頃、お餅によくカビがはえていたものですが、カビを取り除いて食べていました。
少しくらいカビが残っていても特に気にしなかったことを思い出します。

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昔結核、今は悪性新生物(2023/1/16)
1981年から現在まで続く死因のトップは悪性新生物(がん)ですが、
1950年までの死因1位で、国民病、亡国病などと呼ばれ、多くの人の命を奪ったのは、結核でした。
当初結核に罹ることは死につながることが多く、まさに不治の病と考えられました。

結核菌は空気感染で広がるため、完全に予防することが難しく、うつらないよう隔離するつらい病気でもありました。
抗生物質の登場で、不治の病でもなくなり、2021年、この結核が10万人あたり10人を切って日本は「低蔓延国」になりました。
G7(先進国)の中では最も遅い実現でした。
終戦直後の日本は衛生状態も悪く低栄養状態の子供も多かったのでしょう。

しかし、まだまだやっかいな病気です。現在は患者の大半は免疫力の衰えた高齢者。
70代以上が半数をしめています。

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漢方でいう糖尿病(2023/1/23)
漢方では、糖尿病(消渇:しょうかち、しょうかつ)は「多飲」「多食」「多尿」という「三多」を主症状とする病気であり、
次の3つの段階に分類します。
①上消(じょうしょう、肺消:はいしょう):多飲(口渇引飲:こうかついんいん)、口の渇きがひどくたくさんの水を飲む。舌は紅、体力未だ衰えず。
白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)、虚証には竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)、麦門冬湯(ばくもんどうとう)などを用います。

②中消(ちゅうしょう、胃消:いしょう):多食、たくさん食べても空虚感が癒されない。るいそう(いくら食べても体重減少)、汗が増え、便秘(大便硬)がち。
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)、大柴胡湯(だいさいことう)、調胃承気湯(ちょういじょうきとう)などを用います。

③下消(げしょう、腎消:じんしょう):多尿(小便膏濁:しょうべんこうだく)、小便の回数が増え、体力の疲弊、種々の合併症が出現。
八味地黄丸(はちみじおうがん)、六味丸(ろくみがん)、味麦地黄丸(みばくじおうがん)、
胃腸虚弱には清心蓮子飲(せいしんれんしいん)、冷えが強い時に真武湯(しんぶとう)などを用います。

糖尿病は、この順序で進行していきます。

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